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2009/11
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SS 004
SS集 第四弾


(Xより)


「どうしよ〜キラ〜」
 くすんくすん
「う〜ん、どうしようね〜」



「アスラン、僕今まで黙ってたんだけど、実は男だったんだ」

「え?!!」

 つい先ほどまで、可愛い顔を惜しげもなくふるい、フリルがついた可愛いワンピを着た女の子ーもとい男の子は自分の正体を明かした。
 これまで周囲には秘密にしてきた恋人のアスランとの関係。
 それはいわゆる「百合カップル」。
 すなわち女の子同士の禁断の関係。
 同性愛に対し世間の目が未だ冷たい中、将来のことを憂い、不安がるアスランにとうとうキラは自分が男の子であることを教えた。

「実は僕の家では、十三歳まで性別を偽って育てる風習があってね。何のために始めたかは知らないけど、それで僕は今まで、男の子として育てられてきたんだ」

 先日君より一足先に十三歳になったから、解禁なんだ。これからは男として生きることができるんだ。
 「だから、大丈夫」とでもいう風にキラは己の胸元を軽くはだけさせた。
 ワンピースの下にあるのは、豊満または小ぶりな胸ーではなく、どうみてもまっ平らな胸。多少筋肉質ではあるが。
 これまでスカート着ようが、ブルマ穿こうが、スクール水着身に着けようが、戸籍も本人も立派に♂。だから、女である君との恋も決して不毛なんかじゃない。キラはそう言いたかった。
 ところが・・・・・・


「うちもそうなんだ〜(半泣)」


 アスランも自分の胸元を広げて、キラと同じ胸板を曝け出したのだった。

 〜共通点〜




「父上。彼が結婚を前提にお付き合いさせていただいている、キラです」
「初めまして、お父さん。キラ=ヤマトと申します」

 あの後、結局二人は現状維持を貫き通すことにした。
 たとえ、婚姻届を作成・提出する際だって誰が相手方の戸籍など見ようものか。
 それに同性愛に対する嫌悪感は、女性同士よりも男性同士のほうにきつい傾向がある。百合カップルであるなら多少偏見はあってもそこまで嫌悪されることはない。

 ならば、何とか誤魔化し続けるしかない!

 それが二人の一致した意見だった。
 そして二人の居を構えるべく、最低限両方の親への挨拶は欠かせない。そのため、今現在こうして、まずは強面のアスランの父への挨拶に出向いていた。勿論アスランは婚約者を紹介するために。

「ヤマト?もしかして、その方は男性では?」
「ええ?!!ち、父上!な、何を根拠にそんな・・・!」
 突然、ずばりとあっさりと真実を見破られてしまった二人はうろたえる他ない。

「ヤマトさん宅のキラといえば、幼少の頃、養子に出した我が家の実の息子だ!
 養子に出したとはいえ、我が家の風習を取り入れてもらっており、性別を偽って育ててもらっていたんだ!!」

 何故養子に?とか
 そんなはた迷惑な風習なんて・・・!とか
 僕達全然似てないんですけど・・・とか突っ込みたいことはわんさかある、がまずは別の問題に早くも直面してしまったようだ。


「どうしよ〜、キラ〜。
 ホモでゲイで、そのうえ近親相姦なんて、三重苦過ぎる〜(泣)」

 ぺそぺそ

「う〜ん、どうしようね〜?(涙)」


 〜共通点・続〜
『正しいこと』しか知らない人っているのかな?


「おんや〜?アスラン君は悩み事かな〜?」
「そんなんじゃないよ。ミゲル」
「あれだよ。先日隊長が言ったこと、気にしてんだよ。アスランは」
「あれ?」
「そ。ほら、ミーティングの時言ってたやつだよ。いくら縦社会でないZAFTだからって、やっぱり上下関係があるわけで。逆らうべからずが鉄則。だけど、」
「『上が明らかに間違っていると分かっていて付いていくのは、妄信でも何でもない。ただの愚行だ』」
「あーあれね。つまりいくら上司だからって独りよがりに爆進しちまったら、切って捨てるのもアリだってやつ」
「そんなことは・・・・」
「はいはい。アスランの遠慮がちな言い訳は聞かないよ」
「ラスティ・・・」
「アスラ〜ン?人間考える生き物なんだよ?」
「そうそ。そんなやついたら、そいつは正しいことしか"知らない"んじゃなく、自分のことを正しいとしか"考えれない"奴だ。考えることなんてしない、判断することもない、ましてや誰かと比較するなんて夢にも思わないだろうな。それに『切って捨てる』ってのは、ぶっちゃけ隊長のあれは最悪を想定しての場合だ。本当に全部を切って捨てる必要なんてねーんだよ」
「たとえば、俺が本当はすっごい酷い奴で、MS手に入れたからって無作為に関係ない市民まで殺しまわったとする・・・・」
「ラスティは絶対そんなことしない!!」
「ありがと。でも最後まで人の話は聞くー。それにこれは例えば、だ。例えば、俺がそんなことをしたらアスランはどうする?俺の親友だからって、俺がしたいこと好きにさせてくれる?」
「・・・・・説得する。取っ組み合いになっても止める。絶対止めてみせる。
 俺・・・が、正しいのかはわからないけど、やってはいけないこと、だから」
「ん。それでいいの。
 あー、やっぱりアスラン可愛い〜!そのままでいてくれよ〜?」
「ちょっ・・・ラス・・・苦しいって、やめろって」
「あっははは、じゃあ俺もーv」
「うわっ!!」
 そうして三人してソファーから転げ落ちた。




 二回の銃声と一回の爆音。

 一回目は評議会、二回目はジェネシス。
 爆音はジェネシスのすぐ傍で。



 ごめん。

 ラスティ、ミゲル。



 俺、とめれなかった・・・・・・


 〜一人ぼっちの約束〜




「うわぁぁんっ!」
「っくそ・・・!」

 二人して抱き合い、狭い艦内の廊下に二人分の泣き声が響く。

 艦内全体が静けさに包まれていた。
 それは世界の情勢を鑑みれば、当たり前のことなのかもしれないし、夜のせいかもしれない。
 不必要に窓がないため、外の暗さなんて分かるはずもないが、それが一層寂しさを強くさせた。





「ああもうっ!!なんっで、あたしまで補講受けなければいけないのよ!」
「・・・レイのレポートそのままパクッたからだろ。二人して」
「どうせ参考にするなら、少しぐらい自分の趣旨(オリジナリティ)を取り入れようって言う思考はないの?あんたは?!」
「それを言うなら、ルナもだろ。少しは変えろよ。だからばれるんだよ!」
「だぁって、レイのノート、完璧なんだもん。私が手を加えたほうがどうにかなっちゃうわよ」
「それ言うなら、俺だってそうだよ」
「アンタは、少しは体力以外に頭の使い方も覚えなさいよ。赤でいながら、あの学力って笑っちゃうわよ!」
「照準もまともに合わせられないような、ルナに言われたくはない!!」
「なぁんですってぇっ!!この間のナイフ戦、トップのアンタじゃなく、私の方が褒められたからってまだ根に持ってんの?!だから体力馬鹿って言われんのよ!」
「その前まではずっと俺が勝ってただろ?!いいんだよ、勝負に勝てば!」
「ハッ!!これだから脳みそも器量も小さい男は!」
「次の体術戦、覚えてろよ!ぜっっっったいに、まきかえしちゃる!!」
「次と言わず、今!!今すぐ表出なさいよ!その鼻っ柱へし折ってやるんだから!!」


「シン、ルナマリア。今は補講中だ。静かに課題をしろ。それと、私的な喧嘩はご法度のはずだ。
 第一、一番の被害を被ったのは、ノートを貸した俺だと思うのだが?」


「「・・・・・ハイ・・・」」
 まさに鶴の一声。
 正論を言われれば、それまでの勢いは何処へやら、萎むしかない。

 今、三人は空き教室で課題形式の補講を受けていた。
 理由は勿論、レイの完璧なノートを参考にレポートを作成したら、見事三人とも課題も内容も被ってしまったからだ。
 一括されてからは、二人ともシオシオとなり、課題に専念することにした。
 しばらく、ペンを動かす音がカリカリと続く。


 ふと、ルナマリアが今朝見た夢を思い出す。
 正直、それがなんだったのかよく覚えていない。
 状況も事態も今ひとつ朧気で、霞がかった夢だったと言うことしか記憶にないのだが。





「ねぇ・・・私達って、今、何で勉強してるんだっけ?」





「はぁ?何でって・・・・そりゃ、守るため、だろ」

「戦術や武器の扱いを習うためだ。脅威をなくすため、戦うため、だ」


 すぐに答えてくれた学友を少し心強く思いつつ、わだかまりはしこりとなって残る。
 はっきりとしない夢のせいだと結論付けた。







「そっか」






 私、何の夢、見たんだっけ?



 〜兵隊さん〜
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プロフィール

Author:wadachi syu
僻地生まれ  僻地育ち
某年某月某日生まれ
密かに大好きな声優さんと一緒の誕生日。
目下オタク継続中

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